【書評】中学時代に読んどけばよかった本【知的複眼思考法】
こんな本を読みました。
知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)
- 作者: 苅谷剛彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05/20
- メディア: 文庫
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オックスフォード大学社会学部教授の苅谷剛彦さんが96年に書いた本の文庫版です。
買っておいてずっと積んだままにしておいたので、電車で少しずつ時間を書けて読みました。
この本は危険です。
なぜなら、世の中に溢れているあらゆる情報が、いかにゴミ情報で、何重ものバイアスがかかった情報であるかかが目に見えてしまうからです。
って思うくらい世界の見方を少し軌道修正してくれる本です。
タイトルの通り「複眼思考」「考える力」「問いを立てる力」について、シンプルに書いてくれた本ではあるのですが
これまであらゆる文章を「気をつけて」読んできたつもりの自分でも、何回もはっとさせられ、
自分自身のモノの見方や、言葉の使い方、文章の書き方が見直されました。
特に第三章「問の立てかたと展開の仕方」では
・疑問から問いへ(How→Why)
・擬似相関の見破り方
・社会の中での概念の役割
などなど、普段我々が見落としがちで陥りやすい思考の落とし穴について詳しく解説されており、実際にナマの文章を読みながら自分の思考と筆者の思考法を照らし合わせることができます。
とまあ、内容についてあげるとキリがないのですが、
この本の素晴らしいところをひとつ上げるとするならば、
いかに世の中が主観にまみれた情報しか溢れていないのかがわかる点ではないでしょうか。
とにかくこの本、中に出てくる例文や事例が素晴らしい。
普段読む新聞記事や、普段我々が安易に答えを導き出しがちな問題を例に、思考法について書いてくれています。
もちろんここに書かれている「知的複眼思考法」を駆使すれば、自分自身の問題解決力に直接的につながっていくと思います。
しかし一定のレベルの学生や社会人の方ならばこれくらいの思考の方法くらいは、知的複眼思考法という名前でなくても、教えてもらったことがあるのではないかと思います。
この本はそういった思考法をただ紹介してるだけではなく、
我々の身近な社会問題や、文章を材料として、思考法をつかってそれら調理し、
私達の見えている一面的な世界を多面的に、立体的に輪郭を浮かび上がらせてくれます。
大学4年になって初めて読んだわけですが、中学生くらいのときに一度読んでおけばよかったなーと思わせてくれる本です。
とはいってもおそらく一生のうち何度よんでも新しい発見、気付きを与えてくれるほんであるのは間違いないので、しばらくしたらまた手に取りたいなと思います。
以上