【備忘録】求められるのはニーズのマッチング
下記のイベントに参加してきた。
NPO法人難民支援協会(JAR)とブロガーであるちきりんが主催した、難民問題について考えるイベントだ。
たまたまちきりんのブログでこの告知をみて、興味本位で参加してみた。
ただのNPOイベントだとおもったのだが、"市場"について、"価値"とは何かに考えさせられる非常に意義深いイベントだった。
単なるNPOのイベントではない
NPO法人難民支援協会(JAR)というNPO法人が主催で難民について考えるイベントときいて想像するのはどういったイベントだろうか。
おそらくNPOの活動内容や、社会問題の背景を強く訴える勉強会系のイベントを想像する人が多いのではないだろうか。
しかし、今回のイベントはそうではなく、事前の知識や社会的な背景はちきりんのブログにある8回の連載を読むことでインプットし、事前の課題に皆で答えていくというイベントだった。
・事前情報
日本の難民認定基準、知ってます? - Chikirinの日記
難民ってどーやって日本に来るの? - Chikirinの日記
偽装難民についてはどう考えるべき? - Chikirinの日記
事前情報を受けて課題に答える
イベントは上記の連載を読んだ上で課題に答えてディスカッションしていく形式。
課題は以下の4つだ
(1) 個人/企業の寄付を増やすには?
(2) 難民支援に協力する企業を増やすには?
(3) 選挙権を持たない難民に代わって世論を盛り上げ政治家にプレッシャーを与えるには?
(4) 難民を受け入れる都市を増やすには?
上記のような課題を考える際、私のような凡人はすぐに具体的なアイデアを出さないと行けないと焦ってしまいブレストのように役に立たない考えを量産してしまう。
※ブレストにはそれに適した場面があるのは事実
ただ今回のイベントではそれぞれに求められる"価値"をベースにアイデアを考えるということが主眼に行われていた。
どんなターゲットにどんな価値を与えれば、(1)~(4)が実現できるか?
例えば(1)であれば単に寄付をお願いしても企業は寄付をしてくれない。
「寄付をすること」による価値を提供しなければならない。
例えば
・免税(これは既にある)
・寄付した企業の商品の一斉購買運動
→単なるブランド向上ではなく購買まで至る社会現象を生みたいと思っている企業に対してアプローチ
等、どんなターゲットが寄付をすることにどんな価値を見つけるかで、生まれるアイデアが変わってくる。
(2)の場合だと、
例えば難民の出身国に進出しようとしている企業に対して、難民を支援することで難民出身国の風土・ニーズがわかるという価値を提供し、企業協力を仰ぐ、という方法も考えられる。
(3)世論だと
新聞はネタが余っているため、ニーズはない。ネタを探しているところは?と考えると、ネット業界に有り余っているWebライターという選択肢にいきつく。
ライターとしての地位向上/スキルアップという価値を提供することで、世論喚起の協力を仰ぐことができる。
などなど、、自分ではアイデアベースのものしか思いつかなかったが、ちきりんファシリテートのもと、多種多様なアイデアに触れることができた。
そして良いアイデアに共通しているのは、協力する側と協力を頼む側のニーズが上手くマッチングしているということ。
「マーケット感覚」を身につける
ちきりんの著書『マーケット感覚を身に着けよう』では、「製品やサービスが誰にどんな価値を提供しているのか?」を考える力が重要であると説いている。
NPOで協力を仰ぐのでも同じで、自らのニーズを満たすには、それをしてもらうことでどんな価値を提供できるか?を考え抜くことが重要。
我々は普段市場に生きながらそういった視点はどうしても抜けてしまいがち。そういった意味では非常に有意義なイベントだった。
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