メモ:健康・予防領域で「稼ぐ」ためにーー成長領域なのに黒字化できない理由/『BCGが読む 経営の論点2019』より
下記より、予防領域の箇所を雑感的にメモ
ヘルスケア領域のカテゴリー分け
予防・未病 | 診断・治療 | 予後・リハビリ | 介護・終末期 | |
患者・生活者 | ||||
医療機関 | ||||
製薬企業・医療機器メーカー | ||||
保険者 |
上記の分類でいくと75事業が展開されているという。
米国ではIHN(統合ヘルスケアネットワーク)、ACO(Accountable Care. Organization)という仕組みで横軸4つの領域を展開するものがあるとのこと。
その代表的な企業が、カイザーパーマネンテである。
医療機関チェーンを傘下に持ち、支払い機能、医療プロバイダ、ペイヤー機能を統合している。医療に関するあらゆる機能を統合することで、経済合理性の高い最適な医療資源配分が可能になっている。
※日本はまだその段階まで規制緩和されていないため、参考事例としての共有
健康・予防領域で黒字化できない理由
簡単にいうと既存事業、技術にこだわりすぎてしまっている状態。自社のハードウェア、サービスありきに新しいビジネスを乗せようと考えすぎて、しまい、ユーザーの本当の行動変容に気づかず、成功しない。
かつ疾患になっていない状態で、お金を払い続けるのは世界的にも難しく、日本にいたっては、自己負担額が小さいためさらに難しい。予防に対するインセンティブが小さい状態で、患者の行動変容に繋げるサービスをつくることは生半可なことではない。
- 「お金が落ちる領域」を見極められない
「お金が落ちる領域」→医療の投資対効果が高い事業領域
→医療のアウトカムがどれだけ実現したかその比率が高い事業
※グローバルスタンダードでは増分費用タイ効果で400万円~400万円を切る必要がある
「大きなお金」→保険診療として認められて保険償還されるもの
つまり点数がつかないような医療投資対効果のない事業をやっても大きくならないということ。
例えば再生医療のような高度医療が進歩しても、費用が賄えなければ意味がない。これは医療以外の産業ではあたりまえの発想だが、医療となると日本では補助ありきの発想になってしまいがり。医療経済性は念頭に置いたほうがよい。
黒字化するために
- 患者の行動変革に繋げる
最終的な患者。生活者の思いを汲み取り、行動変革につなげること。米国の糖尿病予防はニーズが強いが、それらに関するサービスは軒並み収益化できなかった。ユーザーを律することができず、結局効果がないものと思われてしまい離脱者が増えた。
マスではなく本当にやる気のある人だけを抽出して、成功事例を作り、ブランドを造るというやり方が現在米国では行われている。
- 医療経済性の高い価値の提供
前述のように、社会的に医療経済性の高いものに投資をする必要がある。わかりやすさが重要。
予防医療収益化に必要な3つのレイヤー発想
第1レイヤー 健康状態 | 歩数 | 体重 | 食事 | 睡眠 |
第2レイヤー 中間状態 | 骨密度の低下 | 高血圧 | 物忘れ | |
第3レイヤー 疾患 | 骨折 | 糖尿病 | 認知症 |
第1レイヤー→第2レイヤー:因果関係が見えにくい
第2レイヤー→第3レイヤー:因果関係が見えやすい
いかに相関を見えやすくしてそれに対するソリューションをわかりやすく提供するかが重要。それにより行動変容がおこる。
以上、今後調べるものも含めて雑感メモとして記します。