Time Is More Than Money

旅・書評・仕事

最高の町興しツールとしてのフルマラソン

昨日口熊野マラソンという和歌山県フルマラソンの大会に参加してきた。

フルマラソンは初めてで、今回参加したのも知り合いに誘われたからであり、そこまで行きたかったわけではない。

2ヶ月前くらいに参加が来まり、週に1回程度10キロを走ったりして、何とか4時間台で走破することができた。

この大会です。

kuchikumano-marathon.jp

 

この大会、参加するとなって初めて名前をきいたが、実は21回も行われてフルマラソンの部には何千名もの参加者が走っている

 

初のフルマラソンで感じた町興しとしての威力

フルマラソンの辛さももちろんだが、それ以上にフルマラソンの町興しとしての可能性を肌で感じることができた。

和歌山はほぼ初めてだったが、フルマラソンを通じてその地を好きになる要素が沢山ある。

 

例えばマラソンの給水所だ。

給水所では水・スポーツドリンクやその他炭水化物が出されるが、ここは地方の人々にとっては最高の宣伝場所だ。

口熊野マラソンで出されていたのは紀州梅、和歌山のみかんなど。

ランナーたちはほぼもうろうとした状態でそれらを口にする。まずいわけがない。好きにならないわけがない。

私もマラソン中に紀州梅を5つ以上は食べた。

食べる度に美味しさ以上に、それらを用意してくださった町の方々への感謝の思いがこみ上げていき、「和歌山=いい街」というブランドが形成されていく。

 

そして地元民でない限りどこかに必ず宿泊しなければならない。そこで畳み掛けてくるのが白浜温泉だ。

フルマラソンで人生で経験したことのないくらいの筋肉痛と関節痛に身体にはいる温泉。気持ち良くないわけがない。こんな極楽がこの世界にあるのか、、というくらい気持ちのよい温泉だった。

 

マラソンという極限状態の人に対して、暖かく接し、美味しいもの、気持ち良い温泉を提供することは、普通の人にそれらを提供するよりも良い印象を与えやすいのは間違いない。

 

どれだけリピーターを増やせるか

町興しにとって重要なのはどれだけ街のリピーターを増やせるか。

一回の投資で継続的な顧客を作ることができるか。

修学旅行で毎年一定数くるような街なら努力しなくてすむが、観光資源はあるのにそういった"メディア"をもたない町は苦労する。

 

したがってフルマラソンで1000名以上街に来ること自体も街にとっては大事だが、それ以上にその人達がまた家族や友人を誘って和歌山県を訪れるということが計り知れない経済効果になる。

そういう意味では今回の口熊野マラソンでは「もう一回来よう」と思わせるような仕掛けがかなりあったように思う。

 

そういった好意形成の部分のストーリーを上手く組みたれれば町興しにとって大きな武器になるだろう。

もちろんフルマラソンのマーケットというのは限られているので、共通するイベント等、諸々考え無くてはならないが。

 

しかし本当に良い大会だったし、良い街だった。