『日本のいちばん長い日』をみてきた
本日公開だったこちらの映画をみてきました。
「1945年8月、終戦。戦争終結のために命をかけた男たちの感動の物語」とあるように、この映画は太平洋戦争を日本政府・日本軍がいかにして終わらせたかを描いた映画だ。
半藤一利氏のノンフィクションを原作としている。
そしてこの映画で描かれる事件の一つが、終戦時の陸軍の一部将校によるクーデター事件だ。
実はこの事件、あまり教科書などで大々的に書かれることもないので、知らない人も多い。
この事件の詳細な描写とともに、映画のストーリーは進んでいく。
とても完成度の高い映画で、観ていて飽きのない映画だった。
日本の戦争映画は、長い戦争を3時間程度で感情的に垂れ流すものが多いが、この映画は短い期間を丁寧に詳細に綴っているため、情報量が多い。
その上それらの情報がきちんと整理されている上に、昭和天皇役の本木雅弘をはじめとする豪華な実力派俳優陣。
昭和史における最も重要なポイントである「終戦」という出来事にスポットライトを当てたというだけで戦後70年にふさわしい映画と言えるだろう。
太平洋戦争を語るとき
「なぜもっと早く終戦を決断できなかったのか」
という議論は必ず起こる。
しかし、昭和天皇の権力が有名無実化し、陸海軍が対立し、政治も力を失っている中で、この決断をするのは困難を極めたことだろう。
それはそもそもこの戦争を始めた責任がどこにあるのかが皆無だったことも一因として考えられる。
太平洋戦争はそもそも日本が積極的に起こした侵略戦争と思われがちだが、当時の日本からすれば日米交渉を続けられないと判断した上での自衛的戦争、、しかし勝ち続けてたことにより、大東亜共栄圏という理念をぶちあげてしまった。
気がつけば真珠湾を攻撃していしまい、気づけば猛進してしまった。
誰が始めたかわからないまま4年の月日がたち、ようやく終戦。
サイパンや硫黄島が陥落した時点で終戦していればどれだけ被害が減ったことだろう。と思ってやまないが、歴史にifはない。
歴史に学び、責任をもった選択を、個人レベルでも組織レベルでもできるようにしなければならない。
そう考えさせられる、いい映画だった。